8/16 Day.1
ペシャワルから陸路でカブールへ
朝起きると、まずゴキブリさんとご対面。はっきり言って、ゴキさんは苦手である。寝起きの悪い私だが、朝からパッチリである。こんな食べ物も何もないところでもいるんだから、外の屋台街は相当なモンだろうな。食べたかすはみんな道に捨ててある。朝食はトーストと辛い卵焼き。何よりもうれしかったのは、ホットミルク。おいしー。いわゆるティーポットみたいなのに入っているのだが、全部のんでしまった。それだけでも今日はいい日になる予感。
食べ終わると、ガイドさんがパーミッションオフィスに行き出国の許可をもらってきた。さて、国境越えに出発。ホテルから車で2時間ほど走る。ペシャワルから先はトライバルエリアと呼ばれ、政府の管轄外となっている。つまり無法地帯である。トライバルエリアに入る前に、ガイドさんがガードマンをつけた。武装し、黒いベレー帽をかぶっている人が助手席でにらみをきかす。ここでは、力だけがすべて。平和や安全は武力なしでは得られないものなのだそうだ。難民キャンプのそばも通ったが、もちろん中にはいることはできない。とてもではないが安全が保証できないそうだ。
カイバル峠を越え、国境の町へ。町といっても、ちょいと屋台がある程度のもの。国境を境にアフガニスタン側には多くの人がひしめき、どうにかして国境を越えようとしている。大きな輸送トラックの陰に隠れて国境を越えようとする人もいる。それを短く切ったゴムホースでバシバシとたたく警備員。見ているのもつらい。近くの建物で、出国手続き。もちろん建物といっても民家より小さい。中には男性がひとり。タイプライターを打っている。まるで片手間のようにハンコを押し、そのまま国境線へ。そこはもちろん、警備員と国境を越えようとする人たちでどたばたしているわけだが、どういうわけか、国境線でのチェックは何もなかった。あっさりとアフガニスタンに入国。この付近の撮影は禁じられている。迎えに来ていたガイドと合流。たしかに、とても車を拾える状態ではない。車に荷物を積んでいると、アフガン側の警備員がパスポートを見せろと言ってきた。渡すと道の傍らにある机の上でなにやら確認している。どうやらその机が入国審査場らしい。もちろん、屋根などない。荷物検査もなければ、質問もない。
走り始めると、もうそこは何もない世界。ぽつぽつと小さな村のようなものがたまに見える。ただ、民家は見えないが、人はいる。子どもたちが水を運んだり、家畜をつれていたり、木に登って遊んでいる。約8時間かかると言っていたが、のどかで眠ってしまいそうだった。2時間ほど走っただろうか、時間の感覚はないが、ジャララバードに到着。そこで昼食をとることに。イスラマバードのアフガンレストランで食べたようなのがでてきた。なかなかうまかった。
食べ終わるとさっさと出発した。ちょっと走ると、なにやら工事現場のような場所にさしかかった。日本をでる前に、「ジャララバード近郊で爆発。25人死亡。」というニュースを見たが、まさに目の前がその現場だった。辺り一面がれきの山。なるほど、こんなに人通りの多い場所だったのか。幹線道路沿いだ。とりあえず、らくちんだったのはここまで。突然砂利道に突入。もちろんここはジャララバードカブール間の幹線道路。砂利というよりも石道。でこぼこ道といった方がいいかもしれない。車線などなく、道の中で通れる部分を見つけて走るといった感じ。20キロ以上出したら車が壊れるな。いつまで続くのかを聞いてみたら、「カブールまで」だそうだ。最初の1時間は食べたモノとの格闘。残りの4時間近くは自分も一緒になって揺れている。車から降りても揺れてる感じが残る、まさにそんな感じ。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
途中、川沿いに走る。休憩をとって、水遊び。かなり気持ちいい。これは幸せな時間だった。カブールに近づくと撮影をやめるようにいわれた。アメリカやほかの国々の軍事施設が並んでいる。軍用車両も大量にあり、その辺の道路を走っている。なるほど、だんだん実感してきた。確かに危険なにおいがする。市内にはいると人も車もたくさん。騒然としている街はある意味で活気があり、ある意味で殺伐とした感じを受ける。来る途中も市内でも、子どもたちはお金をせびってくる。砂埃がひどい。体中砂まみれ。鼻やのどの奥にも砂塵を感じる。乾燥した空気はかなりのもの。日差しは強烈だ。日焼けするというより、身体が乾いてしまいそうだ。正直に思った。ここで生活したくはない。
目的地のムスタファホテルに到着。どんなモンかと思えば、外国人向けの安ホテルといった感じだ。かなり贅沢なモノだとは思うが。鍵はいわゆる錠前。各部屋は監獄のような扉で仕切られていて、中にいるときは中から、外にでるときは外から、錠前でドアをロックする。おもろ。アフガニスタンのお金を持っていなかったが、ホテルの売店で交換してくれるらしい。とりあえず、水。えーっと、15000?コーラは25000?どういう数字だこりゃ。とりあえず、持っていたルピーを交換。500ルピー(約1100円)を渡すと、30万アフガニーになった。1万アフガニー札が30枚。なんだか大金持ちになった気分だが、水を2本買えば、3万アフガニー。あとは、どれくらい手数料で引かれているのかわからない。この計算だと1万アフガニーは30〜40円。水もコーラもそこそこの値段。小一時間、ホテルでお金の計算と、今日の日記を半分、売店のおじいさんから、水やジュースを買っていた。とにかく自分自身が乾いていた。そのうちなぜかチェスの相手をさせられたりした。とりあえず現状をいろいろ聞いて、あんまりよくない状態だということだけはわかった。とにかく今日はつかれた。明日から、まずは状況把握。
外を見ると、お店はほとんど閉まっている。暗くなったらお休みといった感じだ。イスラマバードとはえらい違いだ。ここでは日本を比較に出すのはアホらしい。
この日記を読み返して、朝飲んだミルクの味は全く覚えていないことだけを感じた。そろそろ寝るとしよう。もうすぐ12時だ。日本は午前4時。