8/17 Day.2

カブール

 カブールの気候は国境地帯やジャララバードと比べ、過ごしやすい。夜はそれなりに涼しく、昼間は乾燥した暑さ。ただ、しばらく水を飲まないと身体が乾いてしまう。汗はかかないが水分はどんどん蒸発しているのがわかる。とりあえず、シャワーを浴びよう。水はでるのかと思えば、日本を離れて今までで一番まともなシャワーだった。これは、このホテルの売りでもあるらしい。気持ちいいシャワーだった。朝ご飯、パックのミルクと、ナンと、蜂蜜。味の付いていない卵焼き。ついに伝家の宝刀、持参したカツオだしのめんつゆを使った。これはうまい。かけないとただの油を食べている感じ。ちなみにこれだけで、10万アフガニー。万札を10枚渡した。日本円で300円〜400円。

 歩いて15分くらいだろうか。AINAの事務所に到着。AINAはフランスのNGOで、カブールにメディアセンターを開設していた。アフガニスタン人のジャーナリストを育成するプログラム、特に女性のジャーナリスト育成に力を入れている。(この国では女性に対する取材は、まず女性でなければできない。しかも、表にはでてこないが、かなりいい視点のドキュメントをすでに作成しているらしい。)また、英語教育や、地方のラジオ放送用のプログラムを作成したり、独立系の新聞の発行をサポートしている。また、私が一番気に入った部分としては、最終的な撤退を目的としていること。アフガニスタンの人々が自分たちの力で自立していくことを援助することに目的をおいている点だ。

 ここにはたくさんの情報が集まってくる。カブール以外の地域は治安が回復されていないことや、通信手段がないこともあり、なかなか支援が行き届いていない。このようなメディアセンターが各地に建設されれば、アフガン国内の情報がかなり把握しやすくなるだろう。かといって、アフガン国内にある程度のコネクションがなければ、入国することさえ難しいのが現実。カブールに到着した、というだけで、幸運だと思った方がいいらしい。ましてや、職員としての長期の滞在はかなり難しいようだ。AINAをはじめ、ほかのNGOも、とにかく時間と人手がないといった状況。問題を探すよりも、よくなった点を探す方が簡単である。これでも数ヶ月前に比べると天国のようだと話す。想像がつかない。私は市街地でまともに息をすることさえつらいのだが。。。

 AINAの事務所で挨拶回りをすませ、今後の作戦として、すぐ近くにある、ASCHIANA(アシアナ)が運営するストリートチルドレンのための職業訓練校を訪問した。ここは働きながらでも通うことができる学校で、絵画のクラスなど芸術方面のクラスもある。音楽はないようだ。(誰でも知っていて、一緒に歌えるといったような歌もないらしい。)
 ここではどの国の人間も英語を話す。フランス人同士でも英語を使うように努力している。コミュニケーションがすべてだ。お金も紙切れも信用にはならない。これがアフガニスタンだ。お金があれば、何でもできる。ただ、それはひとりでやるしかない。いくらお金を払っても、信頼関係がなければ、持ち逃げされるか悪用される。どう使われたかどうかを知ることはできないのだから。

 子どもたちの絵をたくさん見ることができた。うまい。半分くらいは、写真などを模写したものだろう。それにここの子どもたちは、路上でお金をせびってくる子どもたちとは明らかに目の輝きが違う。残念なことは、まだまだ路上には子どもたちがあふれていることだ。問題をあげればきりがない。

 今日だけで写真は100枚近く撮ったかな、後で見返しながら記録をつけなくては。あぁ、きれいな酸素がほしい。頭をフル回転させるにはきれいな空気が必要だ。笑。なにやらパソコンが文句を言ってきた。「40分間マウスが動いていない」だそうだ。どうでもいいじゃないかそんなこと。だまってろ。あぁ、集中力が切れた。少し休憩。頭の中を整理する。昼食の時にトマトを丸かじりしたな。うまかった。あぁ、そういえば久しぶりに若い女性とお話をした。フランス人かな?緊張してしまった。笑。男社会というのはある意味不思議だ。子どもはみんなかわいいね。
そうそう、海外からのNGO専用のインターネットカフェ。ちゃんと持ち込みPC用のLAN端子がいくつもある。(というか、そなえつけのPCが足りないだけかも。)速度は遅いが快適。値段が高い。で、事務所に戻って、休憩。パックのミルクを買ってきた。幸せなひととき。国際電話をかけられる場所と、両替できる場所を探そう。市街地へ出発。歩いて数分で市街地。苦しい。車はひっきりなしに通る。人でごった返している。
しばらく歩くと、遠くに高い建物。あれが通信省。あそこで国際電話がかけられるそうだ。あ、そう。5時まで?もう過ぎてるよ。携帯からもかけられるらしいが、そんなもんは持ってない。。両替は?川の向こう側。橋は?・・・。歩いていけばそのうちあるんじゃないかな。たしかに遠くに橋らしきものと、大勢の人と車が見える。ほとんど水がないのだから、歩いてわたってやろうか。どのみち5時まで。明日ね。

帰り道はどんどん人が少なくなり、店はほとんど閉まっていた。もうすぐ暗くなる。暗くなったらではなく、暗くなる前に街は終わるのだった。ホテルに戻ったのは7時くらい。その後はとにかく記憶がなくなる前に、パソコンに移す作業。(これ)

夕飯を食べようかな。何十万アフガニーだろう。笑。あぁ、移動でたまっていた洗濯物を始末しなくては。今日一日が無事に終えられたことを神に感謝。生きていることさえ、インシャアラー。

追記

この場所は私が日本に帰った2日後、爆弾テロが起きてたくさんの人が亡くなってしまいました。映像がニュースで流れ、まさにこの場所でした。


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