8/18 Day.3

カブールというところ

 カブールの朝は早い。6時に起床。(実は後でわかったことだが、私の時計は30分早かった。時差は、4時間半らしい。いつも30分前には来てると感心されていた。場合によっては迷惑な話だ。)実際は5時半なわけだが、すでに表通りはにぎわっている。とても涼しくて過ごしやすい。まだ、息ができて、ひんやりした空気と、朝日がぽかぽかと暖かい。日中のことは考えなければ、とても気分がいい。朝食は、あいかわらず、ナンと卵焼き。ほかにはなんにもない。カブールにいるという気分になる。食事はとてもじゃないが楽しくはない。今日は日曜日。かといって、休日ではない。ここの休日は金曜日だ。木曜日が午前中だけ仕事。そんな一週間。つまり、今日も忙しい。
というわけで8時10分前にAINAの事務所についたつもりでいた私だが、実際は7時20分だったわけだ。起きた時間は5時30分になる。えらく早く起きたものだ。AINAの事務所でもまだ寝てる人がたくさんいた。とりあえずメールを書いて、インターネットカフェへ。30分以内にすべての作業を終え、事務所に戻る。途中の空き地にたくさんのトラックとたくさんの人が集まっていた。どうやら公共事業か何かで、道路の舗装か何かをするのだろう。トラックが20台くらい並んでいた。いったい何人連れて行く気なのだろう。たしかに、幹線道路を舗装すれば、陸路で大量の物資を輸送できるようになる。それはホントに重要だ。

今は夜の8時30分。日本時間は翌日の午前1時。今ホテルに戻ってきた。夜の一人歩きをしたよ。別に遊んでいたわけではなく、事務所からホテルまで歩いただけだ。約15分くらい。長かった。何度銃口を向けられたことか。こえーこえー。おかげで今日の出来事がなかなか思い出せない。とにかく、夕方6時くらいになると、いきなり真っ暗になる。夕焼け空を見た気がしない。ひょっとすると山に隠れてしまうのかもしれない。明日確認してみよう。もちろん街灯などない。真っ暗だ。今日は月明かりが強かったので、何とか地面は見える。

道路沿いの道を歩いていると、時々電気のついている場所にマシンガンを持った武装警官(?)が談笑をしている。そこへぬぅっと暗闇から突然現れる外国人。しかも大きな黒い物体を持っている。バズーカ砲にでも見えたのだろうか。びっくりしてこっちに銃口を向ける。勘弁してくれよ。別にこっちは驚かないけど、銃を向けられていい気分はしないぜ。途中で一度驚いたことに逆切れしてきたのがいた。なにやらわからないダリ語でべらべらとしゃべってくる。

今日の午後は、AINAとASCHIANAの間を4往復ぐらいしたかな。その間、毎回同じ子どもがお金をせびってくる。腕をとってくる。まるで、「おんぶおんぶ」と言っているようだ。毎回事務所をでるたびに走り寄ってくるこの子には負けた。君の勝ちだよと言って1万アフガニー。(万札を渡すのはどうかと思うかもしれないが、1000アフガニーで買えるものなど何もない。万札といえ、30円だ。多少しゃべれる子は、「ヘイミスター、テンサウザンド」と言ってくる。)

明日は独立記念日らしく、明後日になる。AINAに戻ってそのことを伝えると、明日が独立記念日だということを知らない人がたくさんいたようだ。アフガン人はよけいなことはしゃべらない。仕方ない。インシャアラー。その間に、たくさんの子どもたちと話をしてみた。言葉は通じないが、身振りや手振りでそれなりに伝わる。それはお互いに楽しい時間。女の子はみんな恥ずかしがり屋。外にいる女の子たちは、ふつうに接してくれるが、アートクラスの女の子たちはすぐ服で隠れようとする。顔は笑っているから、嫌われてるわけじゃないのだろうが、変な顔に見えるのだろうか。。。

子どもたちの作品を見せてもらったり、先生から、それぞれの子どもたちの状態を聞くことができた。今日の収穫は、ASCHIANAにYUKIが近づくことができたことだろう。それは大いなる収穫だ。夕方にインターネットカフェへ。5時には閉まってしまうので、4時30分くらいに行く。30分でいろいろと確認。今日はとにかく回線の調子が悪く大変だった。理由を聞くと、笑いながら「インシャアラー」だとさ。わかんないことは何でもこれでかたづけちまおうってんだな。どうせどこかで雨が降って、回線の調子が悪いんだろうさ。(雨が降ると、電話がつながりにくくなるらしい。電話線のどこかがぬれたり、水が入ってしまったりするんだそうだ。)

その後はいろいろと打ち合わせをしたり、雑談をして過ごした。英語漬けの生活は、かなり頭が疲れるが、勉強になる。べつに語学を勉強しにわざわざこんなところまで来たわけじゃないんだけどね。

今日は月明かりの中を歩きながら、「ここはカブールか。」となぜか考えた。ふと近くの山に目をやると、そこにはびっしりと家屋が建ち並んでいる。もちろん夜なので、何も見えない。ぽつぽつと明かりをともすことのできる家の光が見える。きらきらと光っている。強くなく、優しい光だ。そこに人々の生活があるのだ。家族の団らんがあるのだろうか。両親のいない子どもたちは、親戚の家にいるらしいが、どんな生活をしているのだろう。はっきり言って、何もわからないのだ。何も知ることができないのだ。いったい自分はなんのためにここにいるのだろう。子どもたちの昼間の顔だけ、表面の顔だけを見ている。その笑顔や、その瞳は、まっすぐに私を貫いてくる。なぜ知りもしない私に笑顔で近寄ってきて、こんにちはと言うのだ?私も何気なく笑顔を返すが、どうしてそんなにいい笑顔ができるのだ。見ていて心がいやされる。そんな気分になる自分が腹立たしい。

彼らの生活はここにある。爆弾が降ろうが、ものがなかろうが、何がどうあっても、ここで生きているのだ。私はただの外国人。興味本位でやってきた。ここにいて、何か価値があるのだろうか。何もできない。3万アフガニーのパラオを食べ終わった。付け合わせの煮物(?)とナンは食べきれなかった。100円しない。

アフガニスタンは危ない。危険だ。何もない。ブルカを強制される女性。いろいろなイメージがある。そのどれにもかけていたのは、そこにいる人々の生活だ。そこに生きている人々がいるということを、どこかで忘れてしまってはいないだろうか。どうもそんな気がしてならない。。。


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