8/30 Day.15
疲れた。今日は金曜日。休みだ。これといって何もない。夕方西カブールへ。ここはもっとも被害の大きい地域だ。そのあまりにもむごい状態に唖然とした。写真やビデオを回すことを忘れてしまう。ただただ、呆然とその光景を見ていた。これが戦争か。ぼろんぼろんに壊れた建物。元がなんだかわからない。道路からあんまり遠くに行かないように。地雷がある。子どもたちは毎日そこで遊ぶ。少しずつ、道路から離れた場所に足を運ぶ。誰だってそういうものだろう。そして、地雷の犠牲になるのだ。ばかばかしい。何のために埋めてあるのだ。地雷をふんでもインシャアラー。アホか。そこに地雷をおいたのは人間だろう。アホだ。やってられん。がれきの山を歩きながら鼻歌を歌っている。どうかしてる。おれもアホだ。子どもがついてくる。別にお金をせびるわけでもなく、ただついてくる。オレが歩いた後は安全だとでもいいたいのか?何でこんなトコにいる?何で笑ってる?何がおかしい?あぁ、たしかに。何もかもおかしい。これが人のなせる業だ。
ただ、不思議なモノで、何となく納得している。ここでは誰もが貧しい。もちろん一部のお金持ちはいるが、たいていみんな貧しい。他の国で感じたような矛盾をここではあまり感じない。古代遺跡のようになった壁をつなぎ、天井をつくってそこに住む。家族みんなで働く。でこぼこと石だらけの土地を耕し、畑を作る。人間は偉大な生き物だ。人は生きるために生きている。どんなに家や生活が破壊されても、まだそこに命があるならば、生きることは終わらないのだ。とある国では、生きる意味を探すのが難しいと感じる人も多い。ここでは簡単だ。生きることが、生きる目的なのだ。
今日はアイスクリームを食べた。他のメンバーは食べない。当たり前か。はっきり言って、あんまりうまくない。おなか壊すかなと思ったが、大丈夫なようだ。アイスクリームごときで死ぬことはない。
この間事故にあったスペイン人が帰ってきた。ミイラのように歩きながら、ジョークを飛ばす。みんな一緒になって笑う。彼は笑うとかなり苦しいようだ。くだらんジョークなど言わず、黙って座ってればいいモノを。ひたすら笑い続けていた。いつもより一人少ない分、みんなで笑おう。インシャアラー。
深夜を過ぎ停電。乾電池でつく蛍光灯がひとつ。私の周りを照らしている。今はこの光が届く範囲が、私の世界。世界は、狭い方がいいのかもしれないな。人も少ない方がいいのかもしれないな。何も知らない方が、きっと楽だろうな。この世界がもしも100人の村だったら、こんな世界にはならない。もしもこの世界を作ったのが、神様であるなら、なぜこんなに大きな世界にしたのですか?もっと小さな世界でよかったよ。あなたが作ったこの世界はあなたにも手に負えないほど、大きいのではないですか?もしくは、人間の作り方を間違えたのではないですか?もしも人間の取扱説明書があれば、読んでみたい。「注意」と「危険」の欄だけでも読ませてほしい。
今日の私は無口だ。いいことだ。いつも無駄にしゃべりすぎる。眠い。眠れない。
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