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カブールとASCHIANA

 

 昨日はよく眠った。体調は一山超えそうな時期だ。到着して5日目、そろそろ身体にくるころ。朝一でインターネットカフェへ。ネット環境は最高だ。最高と言っても、どうにか作業ができる程度だが。昨日一昨日と、3時間近くかかっていた作業が15分で終わった。気分良く冷たい飲み物でも飲もうかと、一本は自分にもう一本をいい加減顔も覚えた店員に買ってきた。彼はとても優しい男で、都市部にいるアフガン人にしては珍しく高貴な人間だ。あまりにも作業にならない時間帯などは気を遣ってお金を取ろうとしなかったりする。今日も私からペプシを受け取ると、代わりに食べ物を買ってきて軽い朝食となった。まだ朝の7:30。

 何より今日の体調を支えてくれているのは、昨夜のデイビットからの差し入れ。アフガニスタンは果物がおいしいと評判だ。全くと言っていいほど雨が降らず天気のいい日が続く。スイカやメロン、ブドウなど驚くほど甘いのだ。なかには単純に飛び上がるほどすっぱい果物もある。これはもともと甘いものではないんだろう。日本では見たことないし。だが、このすっぱさがやみつきになる。たぶんビタミンが豊富なんだろう。一時的に元気になる。しかし昼過ぎになって、さすがに暑さにやられてきた。追い打ちをかけたのは、何をどうしたらこういう味になるのかわからない昼食。まるで建物の壁に使う材料のようなにおいと、泥を水でといてヨーグルトと混ぜたかのような味。デイビットも「冗談でもおいしいなんて言うなよ。毎日これを出されちゃたまらない。」と。


↑朝食。

←差し入れのフルーツとデイビッド。

→ミスターモモ♪MMCCのドライバー。英語が全く通じないので、会話はとてもおもしろい。

 

 午前中はASCHIANAへ。他のセンターを見て回る。といってもカブール州もかなり広い。メインセンターから一番近いセンター5だけ見に行った。今日は木曜日で、明日は金曜日。この国では金曜日が休みで、木曜日は日本にとっての土曜日のような日。センター5では、毎週木曜日は映画を観る。約200人の子どもたちが小さなホールにすし詰め状態で小さなテレビに見入っている。このセンターは男の子が100人、女の子が150人ほどいるという。どこのセンターも女の子の方がおい。全体からすると65%くらいが女の子だ。

 ここでASCHIANAについて書いておこう

■ASCHIANA(AFGHANISTAN STREET WORKING CHILDREN AND NEW APPROACH)は、戦災にあった路上で働く子どもたちや、家の中で働く女の子に基礎学習から職業訓練、その他(食事や一部収入)を提供する。

Centre1 Shar-I-Naw 150Girls
Centre2 Khair Khana 350Girls&Boys
Centre3 Shash Darak 617Girls&Boys
Centre4 Deafghana 680Girls&Boys
Centre5 Karte Char 200Girls&Boys
Centre6 Mirwais Maidan 270Girls

■基礎学習には、健康(Health Education)、自己意識と交通安全(Mine and traffic awareness)、読み書き(Literacy)、算数(numeracy)が含まれる。

■基礎学習を修了するとそれぞれの興味関心から、専門課程へと進む。

■なぜASCHIANAなのか。
 公共の学校に行かずになぜASCHIANAに行くのか。それは、戦災により親や両親を亡くした子どもは、すでにその家庭の重要な稼ぎ手となる。たとえ子どもであっても家族を養わなければならないのだ。靴磨きや小物売りなどをして得る収入は、家族を養うには不十分だ。ましてや、学校に行くのに必要な、教科書や制服、靴などを買うお金など無い。ASCHIANAは紙や鉛筆、教科書、さらに石けんや歯磨き粉、衣服を子どもたちに提供する。当然以前の政権が与えていなかった教育を受ける権利を保障する。また、女性には完全に壁に囲まれたASCHIANAの敷地内での教育を提供する。

■ある子どもの物語
 ASCHIANAにやってきた少年に、将来の夢を絵に描いてもらった。彼が書いたのはヘリコプターだった。「パイロットになりたいのかい?それは素晴らしい仕事だ。これに乗っていろんな国に行くことができるね。」と言うと、彼は「ちがうよ。ボクは空を飛べるようになりたいんだ。」と。「それなら、なぜヘリコプターなんだい?」すると彼は、「空を飛べるようになったら、爆弾を落としに行くんだよ。ボクの父さんを殺したやつのところに。」そして、しばらくして繰り返した。「奴らがボクの家族にしたように爆弾を落としてやるんだ。そいつらがだれかに殺されてしまう前に。」

 

 

 ザヒール・シャーの丘に行った。王家の墓だ。この建物の地下には大きな空間があって、いくつもの棺が並んでいた。さすがに写真を撮ることはできない。ここもまた、あちこち崩れていて、銃弾の痕が数多くある。見えにくいが真ん中の写真の柱には、びっしりと銃弾の痕がある。この建物の周りにも働く子どもたちがいる、ここはかなり高い丘の上。料金は割高だ。

 今日はばかばかしいほどに風が強い。空も飛べそうだ。つまり軽い砂嵐みたいなもの。ビシビシと顔が痛い。ただ、こういう日はとても涼しくなる。全くの晴天なわけだが砂が太陽の光を遮ってくれる。それで涼しいのだ。だから涼しければうれしいわけでもなんでもない。もちっと人に優しい自然はないのかね。まぁ、これがこの国らしさなのかもな。途中至る所で崩れた建物、至る所というか、95%くらいの建物がそうだろうが、全く何も手がつけられていない。復興ってのはホントに市内の中心や、官庁の集中する地域だけだ。

 今、ニュースで日本が30カ所以上のなんちゃらを修理するとかなんとかいうのが聞こえてきた。ふとテレビを見ると、どっかで見たことのある顔が。「ミスター○○?」と私が言うと、「知ってるのか?そう言ってたぞ。」と。彼とはパキスタンの空港であっていろいろ話をしていた。彼は某大会社のOBで、アフガニスタンにビルを建てるとか橋を造るとか、混雑する道路に立体交差を造るとか、信号機を造るとか、そういう提案を政府にして、日本企業を紹介するのが仕事だ。「ぶっちゃけた話し、ホントに必要かどうかなどどうでもいい。可能ならどんどんプッシュして契約するんだ。」と言っていた。相当なお金が動くわけだから。要するにエージェントだ。私と同じ日に来ているわけだから5日目だ。「私は2週間の滞在だ」と言うと、「ずいぶん長くいるんだね。」と。これは意外な返答。彼はこのニュースが出ているということは仕事が完了したのかな。今頃は帰りの機中か?私はこの国の何も知らないが、きっと彼はすべてを見ていったのだろう。また街の中に日本国旗が増える。

砂埃で何も見えない。普段は街全体が見渡せるらしい。

街中壊れた建物だらけ。

 今日は動物園に行った。実は動物園がある。入園料は10アフガニー。25円くらいか。ん?「外国人は100アフガニー」。あっそ、250円ね。10倍かよ。中にはいると、最初に小鳥がたくさんいる檻が見えてきた。ちょっとわくわく。どんな鳥だろうと、説明書きを捜すが当然ペルシャ語。「こっちに英語があるぞ。」と友人が教えてくれた。見てみると、「BIRDS(鳥)」と。・・・。見ればわかるだろうに・・・。まさかずっとこんな調子か?と不安に感じていたが、なんとか次からはきちんとした説明が書いてあった。名前だけだけど。日本の動物園と違うのは、動物たちの周りにゴミが大量にあること。それと、檻が適当すぎだ。危ないと感じるほど。だけど、かなりおもしろかった。期待していなかっただけにかなり感動。砂埃もすごいのでカメラも持ってこなかったが、とても後悔した。いろんな鳥がいて、ほとんどが肉食の鳥。コンドルや、はげたか、フクロウは小さいのがめっちゃくちゃかわいい。オオカミや大型の熊は私よりも全然大きい。かなり迫力がある。生まれて初めて動物園に満足した。人が少なくて動物がたくさんいる動物園は初めてだから。

 サンダルを買った。2年前に来た時と同じのを履いているのだが、さすがにぼろぼろ。アフガン人になりすます作戦だったが、周りの方が気にしすぎ。「金がないなら買ってきてやろうか?」とまで言われてしまったので、自分で買うことにした。

 夕飯はまたピザ。夜は電気が使える貴重な時間だし、出歩くのもなにかと物騒なので。いつもはシャフィールに頼んで注文してもらうのだが、どうやら英語が通じるらしいので自分で注文してみた。届いたのは本物のピザ。うまい!何がどうして今までのは「もどき」だったんだ!?どうやらシャフィールは自分が嫌いなトマトを入れないように言っていたらしい。丁寧にトマトソースまで。あんにゃろう。

 

 急な話が舞い込んだ。明日からケシャンに行くかもしれない。「かもしれない」というのにはわけがある。この国で100%というものは存在しない。すべてはインシャァラーだ。ケシャンはアフガニスタン北部の村。MMCCの移動サーカスが明日、クンドゥズからケシャンに移動する。有名なところで説明すると、クンドゥズとファイザバードのちょうど中間くらいに位置している。直線距離だと300km程度に見える。ただ、道はないな。。。ちょうど真ん中あたりの街に一泊して、2日間の行程。途中道路の線のとなりに、標高3300mと書いてある・・・。さむいんじゃん?


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