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ポルホムイからケシャンへ

 朝起きるとすでに8時。1時間後には出発だ。町の様子を見ることもできなかった。ポルホムイは、発電所の町だ。中心に大きな水門があって、そこで発電をしているらしい。延々と続く電線がそれを物語っているが、放水している様子もなければ発電している様子もない。水も少なく発電をするのに十分な料とは思えなかった。

 さて、これからまたさらに6時間の道のり。この車の揺れにはもううんざりだ。しかし、周りを見ても走っている車はほとんどいない。だいいち普通の乗用車ではとても走れる道じゃない。2年前にさんざん苦しんだ道は、まだましな方だった。「ケシャンまでしか行かないんだろ?おまえはラッキーだよ。ケシャンからフェイザバードまでの道は、世界一の悪路だぜ。」と笑う。笑い返す余裕など無いので黙っていた。

ポルホムイを出発しクンドゥズに向かう。のどかな田園風景が続いている。ちらほらと川沿いに緑が広がり、遠くに山々が見える。

 途中、道沿いに子どもたちを見かける。彼らは遊牧民だ。季節が変わるごとにすむ場所を変え、家畜たちと共に生活している。

 たまに、ありえないほどの数の羊に遭遇し、動けなくなることもある。その時は砂埃がひどくて写真を撮ることができない。カメラが壊れる。

 ロバにおいて行かれて、後を追いかけている少年。この光景、実はかなり長く続いた。
 クンドゥズに到着。比較的大きな町だ。飲み物とお土産にメロン30kgを購入。クンドゥズはメロンの産地。世界一甘くておいしいメロンだ。
 クンドゥズから東へ。またもや田園風景が続く。ただしちょっと違うのは、ここで栽培されているのは阿片だということ。延々と続く阿片畑と、そこで働く人々。もちろん子どももたくさんいる。

 しばらく進むと、人に優しくない自然が続く。絶壁の谷を進む。進むといっても道もない。舗装されてるとかされてないとかの話ではなく、無い。途中で川を渡ったりもする。たしかに、普通の車では通れない道だ。

 ケシャンにつくと、SCAのオフィスへ。MMCCのモバイルアーティストたちと合流。みんな疲れ切った様子で寝ているところへ到着。ちょうど学校にパフォーマンスをしに行く時間だったのでみんなで出かけることに。また車に乗って山の上の学校へ。もう勘弁して。体調は最悪に近い。MMCCのパフォーマンスは以前書いたとおり。

 それまでは、完全に不毛の地が続いていたのに、突然緑の空間が現れる。左の写真でもわかるように、緑で囲まれたこの村の外側は延々と茶色い山が続く。水が豊富に流れる川が村の真ん中を流れている。水浴びをする子どもたちを頻繁に見かけることができる。ただ、女の子にカメラを向けるのは、ちょっと危険だ。
 町の中心へ。ISAFの部隊がいた。駐屯しているというよりは巡回していたのだろう。このあたりは北部同盟の支配地域にあたり、比較的治安はいい。ただ、治安が良いだけで厳格なイスラムの教えを守る人々は多い。

 

MMCCのパフォーマンス。子どもたちにとっては、生まれて初めて見る演劇。マラリアの対処法や、手を洗うことの大切さを、まだ字の読めない子どもたちに教えている。子どもたちは大喜びだ。大人たちも、笑いをこらえきれずにいる。それほど彼らのパフォーマンスはおもしろく、また価値がある。

 これは始業や終業などの時間を知らせる鐘。どこの学校にもある。よく見ると大きな砲弾だ。この国には、兵器ならどこにでもある。あるものを使って、できることを少しずつやっていくしかないのだ。

 ただ、すべてが終わって片づけをしながら、偉そうな人たちが口論をはじめる。あれだけ手をたたいて笑い転げていた大人たちが、急にまじめな顔になって、「こんなモノはばかげている。」とか、「今回は良いが次はダメだ。」とか、「女の子の学校では絶対にやってはダメだ。」などなど。

彼らのパフォーマンスは、イスラム教典をベースに造られている。そのことが最大の強みであり、この2年間に30万人もの子どもたちにこのプロジェクトを行っている。少しずつだが、確実にこの社会の中に浸透していっている。

 オフィスに戻った頃には外は暗くなってきた。ひとまわりケシャンの町の中心を歩いた。5分ほどで戻ってこれた。小さな町だ。人が住んでいる地域はとても広いのだがお店などはこの中心にすべて集中している。

 さて、夕食。真っ暗なので何を食べているのかよく分からない。こんなにくらい世界も久しぶりだ。カンテラの明かりがとてもまぶしい。大地より空の方が明るい世界がここにはあった。体調の悪さは頂点に達していた。意識を失うように眠った。


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