2/20 2度目の陸路〜2年半という時間〜

 朝一で「シャヒール(MMCCのスポーツインストラクター)」に車をだしてもらい、カブールのターミナルへ。ターミナルと言っても、ただ、ある一角に車がたくさん止まっているだけ。これといって、誰が決めたわけでもない場所だ。何台かあたってみるが、直通で行くような車はまったくない。しばらくして、シャヒールが知り合いの車を見つけた。状況を聞いてみたが、どうやらここにいる車で、パキスタンに入れる車は存在しないとのこと。もし存在するとすれば、それはパキスタン側から手配されたアフガニスタンの車であるはず。ようするに、直通の車の手配は絶望となった。そのじてんで、急遽私も同行してイスラマバードに行くことになった。着替えも何も持っていない。カメラとパソコンと数万円分の現金。クレジットカードが一枚。なんと身軽な・・・。だが、時間もない。とにかく出発。

 

 

 陸路でカブールからジャララバードへ向かう。山岳の道は景色がすばらしい。先日の大雪の影響もなく、スムースに進む。

 高低差の激しい道路を進む。ついさっき通った道が、遙か上に見えたりもした。まさかさっきの道路がこんな崖っぷちだったとは・・・。

 2年半がたった陸路。道路の状態は驚くほどよくなっている。驚くほどと言っても、元の状態を知らない人からすれば、どうしようもない悪路であることには変わりない。ただ、もう2度とごめんだと思っていた前回に比べれば、格段に良くなっている。
 カブールから離れれば離れるほど、アフガニスタンが見えてくる。まだ、ほんのすこししか離れていないが、まったく違った景色が見えてくる。壮大な自然と、そこに暮らす人々がいて、畑があり、家があり、川の流れに沿って人々の生活がある。そしてそこには、悲しい歴史もある。
 途中、サロウビの村(町?)に立ち寄る。湖の畔の小さな村だ。車を洗い、エンジンの周りの砂をとりのぞく。子どもたちが元気に走り回っていた。遊んでいるのだが、途中でゴミ捨て場などを見て回っては、使えそうなものを拾い集め、持っている袋に入れて走り去っていった。
 途中で、工事中の道路をよく見かけた。道路脇には、2年半前と変わらず、物乞いをする人や、子どもがいる。
 ジャララバードを越え、国境の町トルハムを越えた。相変わらずずさんな国境線。アフガニスタン側で、トラックの荷台に乗り込み身を隠した子どもたちが、パキスタン側にはいると、わらわらと荷台からおりてくる。それぞれ大きな袋を抱え、どこぞへと走り去っていった。なにやら、子どもたちにとっては大きな収入の様子。
 国境を越えたら、タクシーを見つけなくてはならない。「がめつくなさそうで、素朴な感じの英語がしゃべれるヤツ」を探す。といっても、わらわらと群がってくるわけだが。3千ルピーと提示してくる。私の想定した金額は2500だ。「2500で英語のしゃべれるヤツはいるか?」すると、「マイイングリッシュイズベリービッグ!」と。そこで、この「英語がとにかくでかいヤツ」に決定。

 カイバル峠を越え、ペシャワルに到着。アフガンとイスラマバードに電話を入れ、すべては順調に。同行している「ゆうた」もジャララバードで買ったたばこを吸いながら一息ついている。カブールで70アフガニー(160円ほど)のたばこが、ジャララバードだと13アフガニー(30円くらい)だった。食事も桁違いに安い。それに材料を見る限り、カブールより遙かに新鮮だ。それだけカブールという場所は、他のアフガニスタンの地域に比べて物価も違えば、所得もまるで違う。外国人がほんの少しいるような町の物価は、異様な高等ぶりを見せている。実際、月に100ドル(1万円強)だった家賃が、今では4000ドル(40数万円)。アフガニスタンで結成されたNGOや、小さな会社にとっては、カブールで生き残るのは本当に大変なことだ。ますますひも付き度が上がってしまう。この格差を縮められなければ、アフガニスタンに未来はない。この格差が広がり、地方の不満が爆発したとき、内戦に突入する。過去3回繰り返された歴史は、いまもまた同じ道をたどっている。もうだれにも止められないのだろうか。そして、その時期になるにつれて、外国人たちが引き上げ始める。最近、外国人たちが活動を休止し、国外へ退避するようになってきた。

 空港に到着し、チケットを受け取るために電話をする。「アー、イツモオセワニナッテオリマス〜。」と、気持ちが悪いほど流暢な日本語に、妙にほっとする。メンバー2人を無事に送り出し、とにかくこれで一件落着。さて、そろそろ我が身を振り返ってみなくては。そういや、今夜寝るところもまだ決めてない・・・。

 とりあえず、いつものホテルを取ってもらうことに。しかし、着替えもなければ、歯ブラシもない。旅行会社の事務所に余っていた石けんやら歯ブラシを恵んでもらった。それと、ボールペンとメモ用紙。ふと思うと、私がアフガニスタンに持って行った支援物資の中にすべてそろっているものだった。前回も、サンダルを買う金もないのか?と言われたが、今回も支援されまくりの私・・・。あ。サンダルは事務所でシャフィールに使われてた。預かっておいてくれって言ったのに・・・。まったく・・・。

 ホテルに到着。温かいシャワーでも浴びて寝よう。あ。そうだ、アフガニスタンに電話を入れておかなくては・・・。

 

もどる

inserted by FC2 system