Day.1 5/9

 5月から新たに加わった同居人に起こされ、シャワーを浴びて、残った荷造りをする。あれがない。これがない。とか言いながら、結局ずいぶんちいさくまとまってしまった。食べ物と食料がほとんど。(意味不明)それと約2kgの写真。何枚あるかは数えてない。前回行ったメンバー全員分の写真を現像し、届ける。まぁ、子どもたちとの約束だし、当然といえば当然。今までもやってたこと。ただ、量が多くなっただけ。高速道路をぶっとばし、空港へ向かう。なにごともない。あまりにも普通だ!これからアフガニスタンに行くとかいう緊張感がまるでない。これを「慣れ」というのかね。

 飛行機の中はヒマだ。なんにもやることがない。雑誌やら本を買っておけば良かったか?ウォークマンでも持ってくれば良かったか?結局なんにもやることがないので、パソコンを開く。たまったメールに返信を書き、送信待ちBOXにためていく。そういえばと、2002年の滞在記の編集が途中だった。全部やった。ついでに日記を書き始めた。そうか。前回の滞在記も、途中までしか書いてなかった。それをやろう。うん。パソコンを開くとやることが増える。バッテリー残量あと2時間。せいぜい4時間が限度のバッテリーだから、後の時間はがんばって眠ろう。

 新聞を読もう。朝日新聞があった。開くと早速「アフガニスタン首都治安悪化」の文字。カブール中心地のインターネットカフェで爆弾テロがあり、外国人をねらった誘拐未遂事件が多発。武装勢力に車を止められたが、強行突破するなどして、なんとか逃れたという事件が数回あったらしい。中心地のインターネットカフェって、私たちのイメージとは違う。2〜3件しかない。私がいつも使うネットカフェは、郊外にある小さなネットカフェ。重たいデータが無ければそこへは行かない。行くといつも外国人であふれている。たまに日本人も見かける。あぶなっかしくて近寄れない。ねらってくれと言わんばかりだからだ。武装勢力に囲まれたときに、強行突破はできないな・・・・。こちとら徒歩。せいぜいチャリ。笑。今まで以上に気をつけて行かなくては・・・。

 なんとかイスラマバードに到着。飛行機からターミナルまで、どうでも良さそうな、形も大きさも不揃いのバスが並ぶ。乗ろうとしたら動き出したので、ちょっと走って飛び乗る。ドアにしがみついていたので、入国審査上に一番に到着。ゆっくり歩いていただけだけど。審査を受けているとき、ふと後ろを見ると、どこかで見たような顔・・・。そう。成田でもそう思ったのだ。機内では見かけなかったので、気のせいだと思っていたのだが・・・。小柄な疲れたような顔をした(超失礼)ひげの男性が並んでいたのだ。荷物を受け取るところで、おそるおそる聞いてみた。「失礼ですが、ひょっとして中村先生でいらっしゃいますか?」(すでにがちがちに緊張)「あ。どうも。そうです。」親族に不幸があり、葬儀のために一時帰国していたという。なによりおどろいた〜〜。ひえ〜。あこがれのっていうわけではないけれど、すくなくとも絶対的に尊敬できる人であり、著書も何冊も読んだ。なんにせよ、驚いた。まさかこんなところで出会うとは・・・。空港で中村哲氏を迎えに来ていた人たち。うはぁ。明らかに本に出てた写真で見たことがあるし、テレビでも見たぞ〜。

 うひょ〜っと思っていると、「イマガワサン?」と変な発音で声をかけられた。ご機嫌な服を着たシャザードさんがいた。「あ〜。お久しぶりです〜。」などと挨拶をした。ん?なんでここに?私の迎えだとしたら、ここにいるわけはない。どうやら別のグループを迎えにきていたらしく、大荷物を運んでいた。要するに、私を迎えに来るのに、わざわざ空港の中まで入る必要はない。空港の中に入るには、専用の許可証が必要で、旅行会社もそう何枚も持ってはいない。なので、私の場合は、たいてい空港の外で迎えの人が待っている。で、でると、ワジットさんがいた。私よりも若く、はっきり言って日本語もまだ上手くない。しかも変な日本語を話すわけにもいかないので、だまっていることが多い。また、こっちの話を分かっていないのに、だまって聞いているから、分かってるのかどうか分からなくなる。で、頼んだことが通ってなかったりする。まぁ、そこまでわかってるなら、実害なんか無い。2ヶ月前のことを思い出しながら、雑談をしつついつものホテルへ。翌日の予定について打ち合わせをする。

 打ち合わせの後、ホテル近くのインターネットカフェに行くと、満員で使えない。ただでさえ通信速度も遅いのに。しかたなく、ちかくのPCOという電話ボックス(日本のそれとはかなり違う)に行き、日本に電話。外に出ると、心配そうなワジットさんが声をかけてきた。どうやら、帰ろうとしたら、私がうろちょろしているのを見て不安になったようだ。まぁ、しかたない。「オチャデモイカガデスカ?」と言われたので、ちかくの大衆喫茶へ。「にぎやか」というより「うるさい」が適当だ。なまぬるい風を感じながら、テレビでスポーツ観戦をしつつ、ひっきりなしに動く店員にお茶を頼む。店内は、給食時間の小学校の教室を思わせるような空間。広さはせいぜい10畳程度。すし詰め状態の人とテーブル。ふと気が付くと、「ふぅ〜・・・」と息をついていた。なぜかものすごく落ち着いたのだ。バリバリと音を立てながら走る原チャと、パラパラと音を立てながら走るスズキの軽。「あ〜。帰ってきたな・・・。」と、思わずつぶやき、ワジットさん爆笑。

 



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